コンテンツメニュー

Study of the Base-Rock Disturbance at Alluvium On Around Area of the Inland-Sea of Seto

山口大学工学部学報 Volume 11 Issue 1 Page 43-49
published_at 1960
KJ00000155220.pdf
[fulltext] 417 KB
Title
瀬戸内海周辺地帯の沖積期における基盤の変動に関する研究
Study of the Base-Rock Disturbance at Alluvium On Around Area of the Inland-Sea of Seto
Creators Miwa Masafusa
Source Identifiers
沖積平野における地盤の沈下は, これを構成せる軟弱地盤の圧密沈下, あるいは地下水ガス等の採取による圧密加速を主とする沈下, その他埋立て又は建造物等の荷重による沈下等がその主因とされている。さらに海水面それ自体の変動も考えられているので, これ等の相対的関連のもとに地盤沈下が惹起されるはずである。しかるに近年各地において地盤沈下の模様を水準点の検測そのたの方法によって究明されつつあるが, これ等の測定結果を検討すれば地盤の沈下は前記諸原因の外, 沖積層および洪積層基盤自身の変動がかなり顕著に認められる場合がしばしば存在する。一般に新期基盤の変動は段丘面, 海岸砂丘又は河川の侵蝕等の地形的変化により長年月に亘る変動の累積として,あるいは広範囲に亘る水準点の検測による各年ごとの相対的変動量の測定によりこれを知ることが出来る。しかるに水準点の検測に当り, これが基準とする地点自身が変動するか, あるいは検測地帯全域が変動する場合等においては甚だしく事実と異なる現象として表現されるはずである。もちろん現在のところ真の地盤の変動を求めることは困難であるが, これを比較的正しく表現するためには沖積層又は洪積層中に挾在せられる鍵層を選び, これを現在の平均海水面を基準として各鍵層の変動量を比較すれば地盤変動の大略的傾向を推定することが出来る。したがって長年月間比較的変動量の僅少な地域を基準として水準点の検測を行えば地盤変動の模様を比較的正確に求めることが出来るものと考えられる。沖積層又は洪積層は地域によりかなり相違しているので, これ等より選んだ鍵層が多少の時期的ずれを生ずることが予想せられる。全国的に広く分布する鍵層としては, 洪積層上層を被覆しているローム質赤土層(関東ローム層に対比される), 沖積期基底礫層および海岸砂丘中に挾在される古代人類遺物包含層の三層が適当であると考えられる。ただし今回は主として沖積期基底礫層の比較によって推定を行った。しかし試錐深度の不足, 位置の不適当等のもの多く大略的推定に過ぎないが, 中国地方瀬戸内海側においては山口, 広島, 岡山の三県, 九州地方においては略全域について記載した。
Subjects
工学 ( Other)
Languages jpn
Resource Type departmental bulletin paper
Publishers 山口大学工学部
Date Issued 1960
File Version Version of Record
Access Rights open access
Relations
[NCID]AN00244217
Schools 工学部