黒潟:毛利出雲の給領地
この絵図の最大の特徴は、萩藩の直轄地(蔵入地)とは別に、家臣が領有する給領地(知行地)を紫色で彩色して、その領主名をも示している点である。ここではその内、秋穂の黒潟を領有していた「毛出雲」の知行地を示した。「毛出雲」とは毛利元一を指し、萩藩主毛利家の一門で、吉敷村(現・山口市吉敷)に居を構えていた吉敷毛利氏の幕末期の当主である。吉敷毛利氏は元禄11(1698)年に黒潟を給与され、以来、幕末に至るまでこの地の領主であった。